虚構(嘘)の世界

 世界は、作られた物語と同じで雑多な登場人物、時代背景がシナリオに細かく書き込まれている。人々に、自分は『役者』だという自覚はない。世界が壮大な芝居小屋だと言う感じたこともないだろう。ふと感じる生きづらさや、孤独感、あるいはもっと深刻な絶望感、といったものに苛まれ、中には自殺したりする人もいる。幸せな恋愛や結婚、経済的な成功、多様な才能に恵まれて豊な人生を送ることができる人もいるだろうが、おそらく少数派だ。

 世界劇場は相変わらず24時間休みなく雑多な事件、ニュース、天災、事故、政変、戦争などを順繰りにシナリオに沿ってゆっくり、時に急な展開を見せてくれる。我々は観客であり、同時に参加している当事者でもありうる。インターネットやSNSサイトからいろいろな予告編が報じられている。

 なるほど、次はあれが来るのか、とサスペンスドラマの推理を楽しませてくれたりもする。正義感や良心に目覚めた人たちが、何も知らずに脳天気にくらしている多くの人たちを救おうとして必死に、懸命に情報を発信してくれていたりもする。

 でも、情報は届かずに途中でかき消されてしまう。いや、いつまでも宙に浮いたままそこにあって、すでにその情報を知っている人の目にか触れないようになっている。情報は誰かに与えてもらうものではなくて、基本的には自分から探しに行かないと見つからないようだ。

 今や台風も人工的に作れ、進路までコントロールできるそうで、それは日本の大企業の特許技術だとか。ああ、これも嘘なんだなぁ──としらけた気分になる。ワイドショーやニュース番組、政治家のインタビュー、記者会見は見ない。政党と新興宗教団体が共倒れになりつつある。これも時代の新陳代謝なのだろう。やりたい放題だった悪党もどんどん逮捕されていくだろう。

 終わりのない物語、エンドレス・ストーリーがいつまでも続くのだ。

パラレルワールド

Pararell World

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